「日常から離れた場所だからこそ、価値がある」利益度外視でも「森道」に出店したくなる理由

――お二人とも複数の店舗を運営するだけに、たくさんの仲間と一緒に参加されたのだと思います。苦労されたことや楽しかったこと、もう少し詳しく聞きたいのですが。

セソコ
沖縄から出店するので、モノを運ぶのが大変なんですよ。商品だけでなくお店の装飾もこだわりたいんですけど、運ぶ量に限度があるので……。物資が限られる中で複数の店舗に一体感を持たせるにはどうしたらいいかなってずっと考えていました。今年は、目印になるような小屋をフォトロケーションとして作ったんですが、好評みたいでよかったです。

「リトルオキナワ」の目印となった小屋。中に入って写真を撮ることができる。セソコマサユキさんのインスタグラムより。

――荷物の送料やご自身たちの交通費を考えると、利益を生むにはなかなか難しいのではないでしょうか?

セソコ
在庫を取り寄せることもできないから、必然的に売り上げ上限も決まってしまうし、正直ギリギリですよね(笑)。でもみんな、利益だけが目的で「森道」に来ていないと思います。ちゃんと黒字にすることも大切ですが、自分たちのことを知ってもらったり、他の出店者から刺激をもらったりことも大きな意味がありますし、ライブや、その空気感を楽しみにしていたりする人も多いですね。あと、今回は13店舗出店しているんですが、沖縄だとみんな別々のお店を経営しているから、こんなに大人数が一度に集まれることがないんですよ。明日の夜、打ち上げをする予定なんですけど、それもすごく楽しみですね。

太田メグさんが昨年出展したCat’s ISSUE POP-UP STOREの様子。写真:太田メグさん提供。

――太田さんが出店したときも、アーティストさんたちみんなで来たんですか?

太田
そうですね、「Cat's ISSUE」も全国にアーティストがいるので、全員現地集合で(笑)。やっぱり交通費や材料費、仕入れ値を計算していると大きな利益を生むのは難しくなるんですけど、セソコさんと同じように、当たれば儲かるみたいな利益優先な店は一個もないです、みんなで楽しもうっていう気持ちが強いかな。あと、「森道」は集まるお店がどこも楽しそうだし、こだわりを持っているし、出演するミュージシャンのセレクトもいい。だからお金どうこうよりも、本当に「その“場”に価値がある」と思って参加していました。

フォロワー10万超!
“メディア化した個人”について

――少し「森道」から外れたテーマになるんですが、お二人とも、インスタグラムのフォロワー数がめちゃくちゃ多いですよね。セソコさんが15万、太田さんが10万。個人の影響力がかなり大きいと思いますが、どうやって増えていったのでしょうか?

太田
私はやっぱり、猫の影響ですね。猫好きの人たちが発信し始める時期にいち早く乗っていたというのが大きいと思います。あとは、ミュージシャンの坂本美雨ちゃんが「Cat's ISSUE」に参加してくれているんですけど、彼女が私の投稿をリポストしてくれることも多くて、そこから増えていったのもあります。

太田メグさんインスタグラムより。

――フォロワーが増えたことによって得られたメリットはありますか?

太田
集客や告知における影響力の大きさは、「Cat's ISSUE」を運営するうえでとても役立っています。「SUNDAY ISSUE」を始めたころから集客努力はずっとしていたのですが、今はインスタに投稿するだけで一定数のお客さんは望めるので。

一方、私が猫や子どもの写真をアップすることで、「猫ってかんたんに飼えるんだな」と勘違いされてしまう可能性もあって、それが一番危惧していることです。地域猫や保護猫の問題はまだまだたくさんあって、「Cat's ISSUE」の売上も保護猫への活動に充てているのですが、そういった事実は見えないまま私の投稿によって、安易にペットショップに行く人が増えてしまうようなことがないよう、気を付けたいと思っています。

――難しいテーマですね……。セソコさんは、どうしてフォロワーが増えたと思いますか?

セソコ
僕は沖縄をテーマに淡々と写真を貼っているだけなんですけど、フォロワーは僕が日々アップしている沖縄の風景やリアルな情報を知りたい人が大半だと思います。あと、現実的なことを言うと、インスタを始めたのが人よりも早かったんです。黎明期は投稿される写真のクオリティも高くないものが多かったし、僕は元から写真が好きなのもあったので、差別化してきちんと撮ったやつだけを載せるようにしたんです。そしたら「いいね!」がたくさん付くようになって、フォロワーがグングン増えていきました。

――沖縄という場所に限定してブランディングされているぶん、フォロワーに見かけられることもあると思うのですが、声をかけられることもありますか?

セソコ
過去にインスタで紹介したお店に足を運ぶとフォロワーに出会うことがたまにありますね。「本読みました、インスタ見てます」って言われるので、毎日、気が抜けないですよね(笑)。